「備えあれば患いなし」
この言葉通り、災害を乗り切るために備えはいくらあっても足りないほどです。
しかし、家族の人数が多ければ多いほど、必要な防災グッズの量はどんどん増えていきます。「家が広くて仕方ない」というならまだしも、一般家庭で大量の防災グッズを収納するのは、並大抵なことではありません。
そこで、今回は防災グッズの収納方法に関する以下の3つの点について解説いたします。
・防災グッズの収納方法
・おすすめの置き場所
・保管と置き場所に困らない「ある方法」について
このページでは、狭い家でも防災グッズをスッキリ収納する方法と災害に役に立つ4つの置き場所!について紹介!防災グッズをスッキリ収納したい人は、ぜひ参考にしてください。
1、狭い家でも防災グッズを収納する方法とは
一般的に、「通常の災害であれば1人3日分」「大災害であれば1人7日分」の防災グッズが必要と言われています。
内閣府のウェブサイトによると、災害に備えるため1人につき以下の量の食料・水を用意するようすすめています。
備蓄の例
- 飲料水 3日分(1人1日3リットルが目安)
- 非常食 3日分の食料として、ご飯(アルファ米など)、ビスケット、板チョコ、乾パンなど
- 大規模災害発生時には、「1週間分」の備蓄が望ましい
- 飲料水とは別に、トイレを流したりするための生活用水も必要
サラリと記載してありますが、これ結構な量です。例えば4人家族だとして、水は「1人あたり1.5リットルのペットボトル×3(日分)×4=12本」+「生活用水用」、大規模災害の発生が予測される地域では、この倍以上です。さらに、食料や防寒具などもありますから、防災グッズだけでかなりの量となってしまいます。
また、防災グッズは「取り出しやすく」「運びやすい」「退路を塞がないように」収納することが大原則。ビフォーアフターで紹介される家のように収納が多い家なら何とかなりますが、コンパクトな家や賃貸に住んでいる家庭には、かなり難しい問題ではないでしょうか。
(わが家も2DKの賃貸です)
この問題を解決するためには、以下のように考え方を変えていく必要があります。
防災グッズは一か所に置かない
まずはコレ。防災グッズは一か所ではなく、複数の場所に置きます。
「どこに何があるかわからなくならない?」と疑問に思うかもしれませんが、用途別にそれぞれの場所におくのがおすすめです。防災グッズは「緊急時に」「すぐ」取り出せなければ意味がありません。
一か所に全てを置くと、例えば家が半壊したときに持ち出すことが難しくなってしまいます。また、家にだけ防災グッズを備蓄しておくと外出先で被災した場合、必要なときに使用することができません。
これらのことから、防災グッズは複数の場所に小分けして置くのが理想的です。
水や食料品は「保管用」として自宅に置き、モバイルバッテリーや常備薬などは「持ち出し用」としていつも使用するバッグに入れておくと安心です。
それ以外にも、防災グッズの中身を取り出し、家の中で被災したときのことを考え「枕元には体を保護するヘルメットやスリッパ」「キッチンには水」など配置しておくと、万が一のときに役立に立つでしょう。
おすすめの4つの置き場所と収納方法
防災グッズは、「取り出しやすく」「運びやすい」「退路を塞がないように」収納するのが理想的だと解説してきました。具体的には、以下の4ケ所に収納するととても便利です。
寝室
寝室には、真夜中に地震や台風が発生した場合のことを想定したグッズを配置しましょう。真夜中に被災し停電した場合、枕元に着替えを置いてすぐに着替えたり、室内を照らしたり、足元に散乱したガラスを踏まないように身を守りましょう。
懐中電灯、ランタン、スマホ、スリッパ、ヘルメット、着替えなど
玄関
出入口である玄関には、脱出時にすぐに持ち出せるように「持出用のグッズ」を起きましょう。また、被災後に一時帰宅して持ち出すことも可能です。収納するときは、落下の危険性も考慮し頭上より高い場所に置かないよう、ゲタ箱収納がおすすめです。
懐中電灯、水、ドライバー、防寒具、ラジオ、乾電池など
リビング
家族が集まって過ごす時間が多いリビングには、みんなで持ち出せるよう多めに防災グッズを配置しておきましょう。また、リビングは他の部屋と比較しても面積が広いため、リビング内の防災グッズをさらに小分けして配置するのもおすすめです。
非常食、水、応急手当用品、モバイルバッテリー、バールなど
床下収納
床下収納は、浸水したり家具の下敷きになりやすい場所です。そのため「持ち出しにくいもの」や「後で取りにきてもいいもの」を備蓄しておきます。災害後、床下収納が塞がれてしまっても備蓄品を取り出せるようバールやドライバーなどは、床下収納以外の場所に置いておきましょう。
生活用水、ガスボンベ、カセットコンロ、ボンベ、食器など
家の中に防災グッズを収納するときの対策3つ
ここまでは、防災グッズの置き場所について解説してきました。ここからは、どのように収納するのか収納方法についてみていきましょう。
防災グッズを収納するときは「持ち運びしやすく」「頑丈な」「身近にあるもの」を活用すると便利です。新たに購入しなくてもきちんと収納する方法がありますので、参考にしてくださいね。
対策1.持ち運びしやすいリュックに
防災グッズは持ち出しやすい「リュック」「ナップザック」に入れておきましょう。キャリーケースも一見便利なように思いますが、浸水時や地盤が崩れたときにキャリーケースを引きずって逃げることはできません。
そのため、背負うことができるリュックタイプを用意しましょう。肩や背中に負担をかけにくい登山用のリュックなどもおすすめです。
対策2.保管場所は頑丈な部屋かケースに
防災グッズを入れる収納ケースは、できれば頑丈なものが望ましいです。
災害発生時に、浸水や家具の転倒でケースが破壊される可能性があります。これらの事態を予測して頑丈なケースに入れるか、もしくは床下収納や柱が多い室内のように地震がきても倒壊しにくい頑丈な場所に閉まっておきましょう。
対策3.収納ケースを活用する方法も
家に余っている収納ケースを活用するのも有効的な手段です。収納ケースは透明で中身が見やすいため、どこに何があるか一目でわかります。またクローゼット内に収まる規格サイズのため、室内にスッキリ収納できるでしょう。
最近では、耐熱性が高い「ポリプロピレン」を使用している収納ケースも販売されています。ポリプロピレンは、丈夫なだけでなく軽くコスパもいいので、これから収納ケースを購入する人は、ぜひ試してみてくださいね。
保管場所に困らない「ローリングストック方法」とは
ローリングストックという保管方法があります。このローリングストック方法は、内閣府でもおすすめしている「保管場所に困ることなく防災グッズを備蓄しておける方法」です。
食べたら買い足すローリングストック方法は
ローリングストック方法については、内閣府にて詳しく解説していますので、抜粋します。
ローリングストック法は日常的に非常食を食べて、食べたら買い足すという行為を繰り返し、常に家庭に新しい非常食を備蓄する方法。この方法なら普段から食べているものが災害時の食卓に並び、安心して食事を採ることができるはずです。引用 内閣府防災情報のページ|内閣府
このように、ローリングストック方法とは非常食を日常的に食べ、足りなくなったら買い足すというシンプルな方法です。日常的に調理に使用する缶詰めなどを少し多めに購入しておき、消費期限の早いものから食べていきます。これにより、特別に非常食を用意する必要はなく、また改まって消費期限を点検する必要もなくなります。
ローリングストック方法に向いている防災グッズ
ローリングストック方法に適している防災グッズは、食べ物であれば缶詰やペットボトルの水、消耗品であればティッシュや乾電池などです。非常食として考えるのではなく、日常的に使用する食材で非常時にも使えるものは何か考えると、イメージしやすいでしょう。
例えば、以下のような保存のきく防災グッズはローリングストックに向いています。
- ツナ缶
- サバ缶
- カニ缶
- クラッカー
- フリーズドライの味噌汁
- 水
- ティッシュ
- 乾電池
- コンタクトレンズ
- 頭痛薬や風邪薬
これ以外にも、まだまだ便利なものはたくさんあります。あなただけのローリングストックメニューを見つけてみてください。
ローリングストック方法については、下記ページで詳しく解説しています。食べながら備蓄するのが、ロ-リングストック方法について知りたい人は、ぜひコチラも参考にしてください。
まとめ
防災グッズを収納するときは、以下の点に注意してみましょう。
- 小分けして色々な場所に保管しておく
- 「取り出しやすく」「運びやすい」「退路を塞がないように」収納する
- 持ち運びしやすく頑丈な場所にしまう
災害はいつ発生するかわかりません。夜中や外出先で被災しても対処できるよう、それぞれの場所で身を守れるグッズを事前に用意しておきましょう。
また備蓄品を普段から買い込み、使用して、足りなくなったら再度購入する「ローリングストック方法」もおすすめです。使った分を買い足すだけなので、鮮度を保ち点検する手間を省くことができます。
このように、工夫ひとつで防災グッズを便利に収納することができます。突然の災害に対応できるよう、家庭で収納方法を工夫してみてください。
揃えるべき防災グッズリストをご存知ですか?
このページでは、本当に役立にたつ防災用品14アイテムをピックアップして紹介いたします。これから防災グッズを揃える人も、買い替えを希望している人も、ぜひ下記ページを参考にしてください。