非常食や防寒具、転倒防止金具の設置など、防災グッズを一通り揃えるとなると、かなりの費用がかかってしまいます。しかし、命を守るための防災グッズ。できるだけ、コストを抑えつつ家族の安全を守りたいものです。

そこで、防災グッズのコストを抑えるため、以下の3点について解説いたします。

この記事でわかること
  • 防災グッズのコストを抑える方法
  • 購入費用を補助する制度とは
  • 購入費を経費計上するには
  • このページでは、防災グッズの費用を抑えるために必要な3つのコスト、さらに補助金申請方法について学んでいきましょう。防災グッズの費用を節約したい人は、必見です!

    防災グッズの費用を抑えるために必要な3つのコスト

    防災グッズには「購入費」「イニシャルコスト」「メンテナンスコスト」の3つの費用がかかります。購入費を抑えても他のコストが高くついてしまうと、結果として防災費の負担が大きくなってしまいます。

    大切なのは、この3つのコストのバランスを整えることです。まずは、これらのコストがどのようなときにかかるのか見ていきましょう。

    購入費

    防災グッズを選ぶとき、まず気にするのが「購入費」。

    コストを抑えようと思ったとき、誰もがこの購入費を安く済ませようとしますが、後先考えずに商品を選んでしまうと結果として損をしてしまい兼ねません。

    購入が安くても、「設置費用」「メンテナンスコスト」が高いと、結果として総コストが高くなるため注意が必要です。

    設置費用

    防災グッズを収納するためには、バッグやケースが必要です。防災グッズを入れるバッグのことまで考えて購入していきましょう。

    購入した防災グッズをどこに収納し、設置するか決めてから中身を購入しないと「買ったはいいものの、収納しきれない」「もうひとつ収納袋が必要かもしれない」なんてことも。
    防災セットの中身を考えるのではなく、「どのくらいの量が」「何に入るか」「どこに置けるか」まで考えておかないと、買いなおしが必要になるかもしれません。

    また、非常時に持ち出ししやすく、ある程度の量が入るものを用意しておくと、イザというときに安心です。

    メンテナンスコスト

    防災グッズは「長期的に保存がきくもの」であることが絶対条件です。消費期限が短く、買い替えるスパンが短いと、結果としてコストがかかってしまいます。

    防災グッズコスト比較

  • 購入費300円 消費期限6カ月→1年間のコスト600円
  • 購入費1000円 消費期限2年→1年間のコスト500円
  • このように、購入費が安くても買い替えなどのメンテナンスコストを考えると、損をしていることもあります。防災グッズを購入するときは「買い替えが必要かどうか」「どのくらいのスパンで買い替えなければいけないのか」をチェックするようにしましょう。

    防災グッズのコストパフォーマンスあげるために必要なこと

    コスパの良い防災グッズを見つけるためには、価格以外にも「機能性があるかどうか」「身近にあるものか使えるかどうか」などもチェックしてみましょう。

    また、消費期限がある消耗品などは、ローリングストック方法を取り入れるだけでメンテナンス費用を抑えることも可能です。ここからは、防災グッズのコストパフォーマンスあげるために必要なことを紹介します。

    機能性と実用性を兼ねたグッズを選ぶ

    年々、防災グッズの形も進化しています。

    「長期間保存できる水」や「繰り返し使える簡易トイレ」、「ランタンにも懐中電灯にもなるLEDライト」など、ひとつで2役以上の機能がある実用的なグッズを選びましょう。

    いわゆる2WAYタイプのアイテムは、コストの削減にもなるうえ、収納や持ち出すときに便利です。

    自宅にあるものを活用してみる

    意外と身近にあるものが、非常時に役に立つことがあります。

    例えば、新聞紙。ハコ型に折れば紙皿として活用できます。新聞紙は保温性や乾燥を防ぐ役割があるため、使い捨ての紙皿にピッタリです。また、ツナ缶は穴を開けて芯変わりの紐を入れて火をつければロウソクとして使えます。

    このように、自宅にある身近なものが防災時に役立ちます。ぜひ家の中を探してみてください。

    ローリングストック方法

    ローリングストック方法とは、「循環備蓄」という和製英語。つまり備蓄品を日常的に使用し、不足したら買い足す保管方法です。例えば、乾電池や缶詰などがローリングストック方法に向いています。

    製造年月日が古いものから使い、なくなったら新しく買い足すため、常に新しいものを備蓄しておけるという方法です。

    防災グッズ購入費用を補助する制度

    異常気象が多発する現代。国や自治体が大規模災害対策として、様々な防災対策を打ち出しています。自治体によって提供している制度は異なりますが、多くの地域で適用されている代表的な防災支援制度を以下にピックアップしてみました。

    防災用品購入補助金制度

    防災用品購入補助金制度とは、避難所に設置するための機材や物資の購入費用を自治体が補助する制度です。地域によって金額は変動しますが、多いところで300万円ほどの補助金が出るところも。以下のような補助金制度があります。

    ただし、この制度は企業や団体向けの制度です。医療や教育、福祉施設以外にも地域づくりに参加している団体が申し込むことができます。

    民間一時滞在施設備蓄品購入費用補助

    大規模災害発生後に、自宅に帰れなくなった帰宅難民者を守るために、民間一時滞在施設に対し東京都が備蓄品を提供しています。

    提供される防災グッズは、「寝袋、おむつ、生理用品、救急セット、粉ミルク、ベビーフード」などです。また帰宅困難者1人×3日分の蓄品購入費用の5/6補助すると公表しています。

    ただし、この補助金制度を受けられるのは、都内の市町村との間で「帰宅困難者受入協定」を締結し、かつ「1人×3日分」の備蓄品を完備している事業者です。事業の傍ら、帰宅難民者を助けたいと考えているのであれば、こうした制度も活用してみてください。

    防災グッズ費用を経費計上するには

    自宅でお仕事をするフリーランスの人こそ、自宅にいながら身を守ることが必要なのではないでしょうか。また、従業員を雇っているのであれば、社員の命を守るため防災グッズを完備することは、事業主の努めでもあります。

    そこで役立つ豆知識。実は、防災グッズは経費として計上できます。これから防災グッズを購入する人は、申告に向けて経費計上の仕方を覚えていってください。

    防災用品の購入費用は原則として「消耗品費」

    一般的に、防災グッズは「消耗品費」として計上できます。消耗品費とは、取得費用が10万円以下で使用期間が1年未満の物です。

    ただし、10万円以上であったり数年間継続して使用するような場合は、耐用年数に応じて減価償却費として計上します。

    個別に配布する場合は「福利厚生費」

    また、防災グッズセットを従業員ひとりひとりに配布する場合は、福利厚生費として計上します。福利厚生費とは、給与以外に配布するお金であり、ボーナスや交通費も福利厚生費です。

    防災グッズも、ボーナスのような形で配布するという考え方となるため、社員分の防災グッズは福利厚生費として申告するようにしましょう。

    まとめ:工夫ひとつで防災グッズのコスパはあげられる!

    2WAYタイプの防災アイテムを購入したり、自宅にあるものを活用してみたりすると、防災グッズ費用をおさえることができます。

    また「使って買い足す」という保管方法に変更すれば、新たに防災費用を捻出しなくても日々の生活費の中で防災用品を用意することも可能です。

    このように、工夫ひとつで防災グッズのコスパをあげることができます。取り組みやすいところからチャレンジしてみてくださいね。

    揃えるべき防災グッズリストをご存知ですか?

    災害用品をやみくもに買い集めても、使わないまま使用期限が過ぎてしまうことも。災害用品は、本当に必要なものや役立つものだけを用意していきましょう。
    このページでは、本当に役立にたつ防災用品14アイテムをピックアップして紹介いたします。これから防災グッズを揃える人も、買い替えを希望している人も、ぜひ下記ページを参考にしてください。