今回は、災害で電気がなくなったらどうなるのかついてご紹介いたします。震災時の停電対策についてご紹介いたします。震災時の停電対策について考えておきたい人は、ぜひ本記事を参考にしてください。

災害で電気が使えなくなったら発生する3つの問題

災害被害は川の氾濫や土砂崩れなどが一般的なイメージですが、直接的な被害ばかりではありません。送電設備が破損し、電気が通らなくなると広範囲にわたって以下のような被害を受けてしまいます。

家事に大きな支障が生じる

停電が発生すると、現在の家事はその多くが家電製品に依存する形になるので、電気が止まると大きな支障が生じる事態は避けられないと言えるでしょう。

特に一般家庭においては炊飯器や電子レンジなどの家電製品が使えなくなるので料理の際、非常に不便です。特にオール電化住宅はコンロも電気で動くのでお湯を沸かすことすら不可能になります。また、洗濯機も同様に使えなくなる他、使用中に電気が止まったら自動的に扉がロックされてしまい、中の物を取り出すことができません。掃除機も使えないので室内の掃除も難しくなります。

都市機能がマヒする

大規模な停電は一般家庭に限らず、都市機能にも大きなトラブルをもたらします。

特にスーパーやコンビニなどの商業施設は停電によって冷蔵庫や冷暖房が止まってしまう他、レジスターを使うこともできません。停電中は営業ができなくなるので買い物が不可能になります。電子マネー決済を利用している人は読み取り機が使えなくなる点にも注意する必要があります。ガソリンスタンドの給油機も電動ポンプで動いていることから、停電になると給油ができません。

信号機も停止するので渋滞が起きやすくなり、無駄に燃料を消費するおそれがあります。停電から復旧するまでは車の運転を控えるのが賢明でしょう。

安全上の問題が発生

停電になると固定電話は使えなくなるので、連絡の際はスマホに頼ることになります。しかし、災害時は安否を確認しようと大勢の人が一度に電話をかけるので繋がりにくくなるのも事実です。スマホの場合、停電中は充電ができないのでバッテリーが切れると連絡を取ることができなくなり、孤立する事態は避けられません。必要最低限以外の使用は控え、バッテリーの消耗を防ぐことが重要になります。

防犯カメラなどの防犯設備の一部は停電になると機能が停止するのでその点についても注意しなければいけません。照明も使えず、夜になると真っ暗になります。懐中電灯の光では一部分を照らすに留まるので日中のような行動は非常に難しいと言えるでしょう。

真っ暗になると何もできないのでそのまま寝る以外に過ごす方法はありませんが、空き巣などの犯罪被害に遭うリスクが増大することも忘れてはいけません。安全管理には細心の注意を払うことが停電時に求められる姿勢と言えます。

災害時に電気が復旧するまでの期間

もし大規模な災害が発生した場合、復旧までにどのくらいの時間がかかるのでしょうか。過去の例を参考に紹介していきます。

大規模な停電から復旧するのは3~7日後

災害による停電から復旧するまでの時間は状況によって異なるので、何時間までと断言することはできません。

しかし、災害被害の規模が大きいほど復旧には時間がかかる傾向があります。東日本大震災の場合、停電が発生してから完全に復旧するまで約7日を要しました。これは地震と津波による送電設備の破損被害が大きかったのが理由です。ちなみに、阪神淡路大震災の際は復旧に約3日かかりましたが、これは被害が比較的局所的に留まったためと言われています。

このように地震の規模によって、通電するまでの時間が異なることがわかります。

なぜ電気復旧までに時間がかかる?インフラ設備の復旧と問題点

災害後のインフラ設備の復旧は電気がもっとも早いとされていますが、これは送電設備が埋設されていないことに関係しています。ガスや水道の配管設備は埋設されているので、破損した場合は地面を掘り返す作業が必要です。その点、送電設備は電線を支える電柱を設置すれば復旧できるのであまり時間がかからないと言えます。

しかし、地域の景観を損ねるとの理由で送電設備の埋設が進んでいることから、災害後の復旧に時間がかかると問題視されている点は無視できません。内閣府は首都直下地震が発生した場合、停電から復旧するまでの所要時間を約6日と算出していますが、これは送電設備の修復がスムーズに進んだ場合の話です。

実際は埋設した送電設備を直すために穴を掘ったり、崩れた建物のがれきを取り除く作業も伴うのでさらに時間が長くなるとされています。送電設備の埋設はメリットの他にデメリットもあることを踏まえ、不測の事態に備えることが大切です。

震災時の停電対策について

では、大規模な停電が発生した場合、私たちはどのようにして生活していけばいいのでしょうか。電気が使えなくなったときのことを考えて、停電対策についてみていきましょう。

停電対策その1.身近な電源を活用する

災害によって停電になった場合、復旧するまでの間は自分で電気を確保しなければいけません。電池を用意しておくのが古くから言われている備えですが、懐中電灯やラジオなど一部の製品への使用に限られるので注意が必要です。生活の支障をある程度軽減させるには相応の準備が必要になるので、日頃から防災用品のチェックを欠かさないことが重要と言えるでしょう。スマホのバッテリー切れを防ぐ方法としてはカーバッテリーからの充電が効果的です。シガーソケットに対応した充電器を使えばスマホに充電することができます。スマホ以外にもノートパソコンなど携帯できる家電製品の充電が可能ですが、バッテリー上がりには注意が必要です。

停電対策その2.太陽光エネルギーを活用する

クリーンな発電方法として注目されている太陽光発電ですが、家庭用の小型バッテリーに充電できる機器を使えば急な停電時にも安心です。日の光を当てれば充電できるので、冷蔵庫や洗濯機を使い続けることができます。発電量や対応できる消費電力量は製品によって異なるので、使用状況を想定して選ぶことが大切です。住宅に大掛かりな太陽光発電設備を導入することでより安定した電力供給が期待できますが、維持コストも嵩むので慎重に判断しなければいけません。

停電対策その3.非常用電源を用意する

非常用バッテリーは太陽光発電ができない環境でも使用できる電源として重宝します。予め充電を済ませておく必要がありますが、小型の家電製品なら長時間動かすことができるので非常に便利です。製品によってはハンドルを手回しして充電できる物もあるのでバッテリー切れになる心配がありません。しかし、非常用バッテリーはあくまでも停電時に用いる物なので連続使用はできるだけ避ける必要があります。特に手回しで充電するタイプのバッテリーは電圧が不安定になりやすく、接続している家電製品にも負担をかけるので注意が必要です。バッテリーにも寿命があり、常温で保管しているなら約5年ほどで交換する必要があります。

停電時に家電製品をそのまま使用できるのは便利ですが、安全に使うには優先順位と使用時間を決めて丁寧に扱うことが重要と言えるでしょう。

まとめ

停電から復旧するまでに必要な時間は、3~7日程度。しかし、この期間もあくまで目安。家庭ごとに停電対策をしておくことが求められます。

  • 家庭用の小型バッテリーを用意する
  • 太陽光発電システムを設置する
  • 非常用電源を確保する

上記のうち、いずれかでもいいので、ひとつ対策しておくと安心です。安いものだと、数万円ほどで購入できますので、ぜひご検討してみてください。停電生活は想像以上に不便です。できる対策から始めていきましょう。

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