防災グッズを揃えようと思った時、中身として何を揃えればいいのか、または不要なものはあるのか、お悩みではありませんか?せっかく揃えても非常時に役に立たなかったり、不足していては、困ったことになってしまいますよね。
そこで、防災グッズの中身を揃える前に、以下の点について知っておいて欲しいと思います。
- 要らないものや足りないものを知ろう!
- まず準備すべきもの!
- 絶対必要な防災グッズ
このページでは、防災グッズに入れるおすすめの中身と準備する前に知っておくべき4つのことについて徹底解説いたします。防災グッズの中身として何が適切なのか知りたい人は、必見です!
本当に役立つ防災セットの中身とは?用意するための5つの心得
防災グッズの中身は「性別」「年齢」「いつ使うのか」によって中身が異なります。
ただ単に「生き延びるためのものを揃えればいい」という訳ではありません。「災害直後はどんな状況になっているのか」「被災中はどんな不便な生活を強いられるのか」「元の生活に戻れるまで何があれば耐えれるのか」について、よく考えてから準備しておかないと役に立ちません。
実際、東日本大震災で被災したとき、事前に用意していた防災セットは何の役にも立ちませんでした。それは、これからお話する5つのことを考えていなかったからです。
では、本当に役立つ防災セットを用意するための5つの心得から解説していきます。
心得その1.防災セットは3パターン用意する
防災セットは、「普段用」と「非常用」と「保管用」の3パターン用意しましょう。普段用はいつも使うバッグの中に入れておき、非常用と保管用は自宅に置いておきます。
- 普段用
- 「外出中の被災」に帰宅するまでその場をしのげるもの
- 非常用
- 「災害発生時」に避難所まで逃げるときに持出せるもの
- 保管用
- 「被災生活中」に避難所生活中で家族の役に立つもの
東日本大震災では、災害後に交通機関の運行が停止したため515万人もの帰宅難民者がいました。そのうち帰宅できたのが80%で、残りの20%は帰宅できずに会社や避難所に留まったのです。
このように、いつどこで被災するかわかりません。直接的な被害がなくても、帰宅することが困難になる可能性もあります。簡単なもので構いません。何かひとつでも役立つものを常備するよう心がけてください。
心得その2.中身の量を決める
防災グッズの中身は、「1人3日分」用意しましょう。なぜ3日分なのかというと、3日経過すると生存率が下がるからです。
大きな災害発生で被災し、建物に閉じ込められたり、集団孤立してしまったりしたときは、この3日分の備蓄品で救助を待つのが理想的です。
この3日分の防災セットは、「非常用」の部類に該当します。自宅や会社、学校など普段いることが多い場所に保管しておくためのものです。
生き延びるための備蓄品ですので、主に食料や水を中心に詰めていきましょう。
心得その3.必要なものを選定
非常時に持ち出す防災グッズの中に、どんなものを入れたらいいのか選定しておきましょう。
普段から貴重品を持ち歩いている人は多いと思いますが、災害は夜中に突然やってくることがあります。深夜の災害時でも貴重品を持ち出せるよう、まとめて保管しておくと安心です。
ただし、通帳や権利証など、普段持ち歩かないものを無理に持ち歩くことはしなくてもいいと思います。無理に持ち歩くことで紛失してしまっても大変です。
家が倒壊しても火災にあっても、損傷しない金庫などに保管しておくのもいいでしょう。
心得その4.必ず点検は行う!
準備した防災グッズは定期的に点検をしましょう。
防災グッズで消費期限があるのは、非常食・水・乾電池です。さらに、家族の成長とともに使えなくなる、衣類・オムツ・離乳食も点検し、使えなくなったものは除去しておきましょう。
定期点検の頻度は1年に1回でも構いません。ただし、非常食の種類によっては消費期限が1年持たない物もありますので、消費期限がわかるようメモしておくと便利です。
心得その5.使いにくいものを見極める
防災グッズの中には「使いにくいもの」「使えないもの」もあります。
わたしが被災したとき使いにくかったのは「米」です。電気やガスがないので、ご飯を炊くことができませんでした。またガスだけが使える地域の人も、炊飯器に頼りっぱなしだったので、お米があっても炊くことができない、なんてことがありました。
他にも、懐中電灯は照らすことはできますが、室内全体を明るくするのには不向きです。また懐中電灯を持ったままトイレで用を足すことは困難でした。
このことから、米よりは水を注ぐだけで食べられる「アルファ米」、懐中電灯よりは「ランタン」と強く感じています。
こういう使いやすさを実感するためには、実際に使ってみることが重要です。家族でキャンプに行くなどして、使用感をぜひ試してみてください。
防災グッズの中身に入れたいもの5選
それでは、防災グッズの中身として何を入れればいいのかみていきましょう。防災グッズの中身に適しているのは、以下の5種類です。
- 食料や水
- 危機回避できるもの
- 体を暖められるもの
- 連絡手段が取れるもの
- 睡眠に使えるもの
わたしは「品名」よりも「用途」を重視して選らんだ方がいいと思っています。どんなにおすすめされている商品でも「実際に使ってみると何だかつかいにくい」個人で使いやすさや予算も違ってくるからです。
食料や水
まずは何といっても、生命維持に欠かせない食料や水。
防災サイトや情報誌などをみると「3日分がいい」「7日分がいい」など、様々な情報が流れていますが、一般的な災害であれば3日分・大規模災害であれば7日分用意するが正解です。
- ペットボトルの水1人×3日分
- 調理しないで食べれられるもの1人×3日分
ただし、7日分を備蓄するのも大変だと思うので、まずは用意できる範囲で準備した方がいいでしょう。ちなみに、以下の量を目安に揃えてみてください。
食料・飲料などの備蓄、十分ですか?
飲料水 3日分(1人1日3リットルが目安)
非常食 3日分の食料として、ご飯(アルファ米など)、ビスケット、板チョコ、乾パンなど
引用 災害に対するご家庭での備え~これだけは準備しておこう!|内閣府
内閣府では、防災サイトを運営しています。非常に参考になりますので、上記の内容を準備してみてください。
危機回避できるもの
危機回避できるものとは、生き延びることが困難な場所から脱出するためのアイテムです。また、危険を知らせたりするために使います。
例えば、以下のようなものがあります。
- 居場所を知らせる「ホイッスル」
- こじあけるための「ドライバー」
- ガラスを割るための「ハンマー」
これらはすべて、閉じ込められたり救助の手が届きそうになかったりするときに使用します。自分の命の危険が迫る状況など考えたくもないかもしれませんが、必ず用意しておきましょう。
睡眠や体を暖められるもの
真冬や夜に被災しても凍えないで過ごせるよう、防寒具を準備しておきましょう。持ち運びしやすいよう軽くて薄手だけれども、保温性が高いものがおすすめです。
- 雨をしのげる「レインコート」
- 寒さや塵を防ぐ「長袖長ズボン」
- 就寝につかう「寝袋」
防寒具の役割は、被災後に空気中にまう塵を防ぐ「防塵用」としても有効的です。レインコートは通気性が悪いため、火山灰やゴミなどの粉塵から身を守れます。
連絡手段が取れるもの
災害時、安否確認や状況確認するための通信手段は絶対に必要です。
通信手段と言えば代表的な機器はスマホですが、中でも「LINE」は手軽な安否確認システムとして優秀です。それは「既読システム」があるから。
国内でも8100万人以上が利用していると言われる「LINE」ですが、東日本大震災の影響により「既読システム」が追加されたようです。相手がメッセージを送れない不安定な電波状況だとしても、既読マークさえつけば「ああ、メッセージ見れる状況にいるんだな」と判断できます。
災害発生後、家族と連絡が取れなくなったときは、この既読システムを活用してみてください。
足や頭を守るもの
災害後は、ガラスや壁、瓦の破片などいろいろなものが散乱します。特に夜中に災害が発生し停電したら、どんなものが散乱しているかわかりません。視界が悪いときでも避難できるよう、足を守れるものを用意しましょう。
また、頭上を保護するものの重要です。わたしが東日本大震災で被災したとき、壁にかけていたフォトフレームのガラスが垂れ下がり、子供たちの頭に危うく刺さるところでした。以上のことから、以下のものが必要です。
- 足を保護する「スリッパ」
- 頭を保護する「ヘルメット」
このように災害時は何でもないものでも凶器になってしまいます。家の中でケガをしないよう、身を守れるものを準備しましょう。
【ケース別】性別や年齢にもって防災グッズの中身は違う!
所持する人の性別や年齢によっても、防災グッズの中身が異なります。自分や家族に合った中身を揃えていきましょう。
- 女性用の防災グッズ
- 女性用の防災グッズの中には、生理用品や衛生用品を多く入れましょう。特に重視したいのは生理用品です。
- 生理用品
- スキンケア用品
- 衛生用品
- 下着
- 子供用の防災グッズ
- 子供用の防災グッズは、主に着替えが必要です。年齢や月齢の低いお子さんほど中身を充実させましょう。
- オムツ
- お尻拭き
- 下着
- ミルクや離乳食
- 高齢者用の防災グッズ
- 高齢者用の防災グッズは、衛生用品と着替えです。普段通りに飲食するために必要なものを揃えましょう。
- 入れ歯
- 入れ歯ケア用品
- コルセット
- 痛み止め
- 持病がある人の防災グッズ
- 持病がある人の防災グッズは、主に薬です。日常生活を送れるよう、常に薬は多めに持ち歩きましょう。
- 薬
- 水
- 衛生用品
- 栄養補助食品
このように、防災グッズは持ち主の性別や年齢、健康状態によって中身が大きく異なります。防災グッズセットを購入したときは、自分自身や家族に役立つよう、中身を追加してみましょう。
まとめ:防災グッズは2~3パターン用意しておく
防災グッズの中身は、使用する人の性別や年齢、持病があるかどうかで変わります。
そのため、「これを用意すべき」という視点で準備するのではなく、このページで紹介してきたように以下の5つの点に注意して中身を用意してください。
- 「普段用」と「非常用」と「保管用」の3パターン用意する
- 「1人3日分」用意する
- 必要なものを選定する
- グッズの点検は定期的に行う
- 使いにくいものを見極める
必要なものが揃っている防災グッズセットを購入するのもアリですが、個人の状況や使い勝手に応じて中身をカスタマイズするのもいいでしょう。
揃えるべき防災グッズリストをご存知ですか?
このページでは、本当に役立にたつ防災用品14アイテムをピックアップして紹介いたします。これから防災グッズを揃える人も、買い替えを希望している人も、ぜひ下記ページを参考にしてください。