正広さん(45歳・男性・福島県・休業中)への取材インタビューです。

被災地に留まりながらも、県外の人々を相手にリモ活で稼いでいる正広さん。ライブ配信やアフィリエイトを組み合わせて、地元の復興を目指しているそうです。

リモートワークを始めたきっかけ

――はじめに、正広さんがリモ活バイトを始めたきっかけを教えてください。

直接的なきっかけは、震災後に、勤務先が休業してしまい、収入源を見つけるために試したアイデアの一つが、リモ活でした。震災前からも、興味は持っていましたが、本格的に始めたのは復興が始まってからです。

――震災後に、ほかのお仕事への転職や、県外への移住という選択肢はありませんでしたか。

できれば県外に一旦避難したかったのですが、親が高齢なこともあり、地元に残るという選択肢しかありませんでした。でも、県内にはよい求人などなく、どこも苦労されていたので、将来の収入が一番心配でした。

――本格的にリモ活をする前に、どのような知識やご経験がありましたか。

昔からオンラインゲームをやっていたので、ゲーム配信のようなことは経験がありました。もちろん、有名な配信者と違い、個人の趣味程度なので、視聴者は数人でしたが。

――どのようなプラットフォームで配信していたのですか。

当時は、YouTubeで配信していました。有名なゲーム実況は、だいたいYouTubeだったので。

――ゲーム実況では、収入はありましたか。

いいえ。全く稼げませんでした。相当な数のチャンネル登録者がいないと、お金にならないと思います。

――実際、収入が発生し始めたのは、どのような活動でしたか。

いくつか試しましたが、ライブ配信アプリや、ボイスチャットアプリから、少しづつ報酬を得られるようになりました。

――具体的なアプリは、なにをお使いですか。

有名なアプリはほとんど使っていますが、例えば、ビゴライブなどです。

――ライブ配信やボイスチャットでは、どのような内容の交流をしていますか。

私の場合は、雑談がメインです。もちろん、ゲーム実況が好きなので、そういう配信をする日もありますが、実際にボイスチャットアプリをやって、雑談をしたいという人が多いことが、一番大きな発見でしたし、それが稼げる転機になりました。

――実際、一からリモ活を始めるのに、スキルや知識などは必要でしたか。

正直、誰でもできる時代だと思います。むしろ、ツイッターやインスタなどを見ていると、流行りに便乗してリモ活を始めて、すぐ何十万円も稼いでいる人もいますから。

(参考:リモ活女子の知恵袋

実際のリモートワークはこんな感じ

――実際のリモ活は、アプリでどのような流れの活動をされていますか。

ボイチャアプリの場合は、基本的に、「雑談相手になりますよ」という名目で自己紹介を書き、待機しています。話し相手が欲しい、誰でもいいから話を聞いて欲しい、というニーズが意外と多いのですよ。

――いわゆる、愚痴聞きの要望が多いですか。

愚痴を聞いて欲しいという人も確かにいますが、愚痴に限らず、ただ誰かと会話をしたいという人も同じくらいいます。

――ほかにも、通話相手を見つけるためにされていることはありますか。

いわゆる、スキルシェア系のサイトにも登録しています。やはり、話し相手が欲しいという人に向けて、500円ほどで聞き役になっています。

――それらのリモ活を合計すると、生活に必要なお金は稼げますか。

正直、それだけで生きていけるほど稼げてはいません。以前の収入の、3分の1ほどでしょうか。でも、雑談アプリのほかにも、アフィリエイトにも力を入れています。自分で買って使った商品を、ブログに書いて、広告費をいただいています。あとは、楽天ROOMも力を入れています。どれも金額にすると僅かですが、全部まとめるといいお金になります。

今後の活動について

――地元を離れず、今はリモ活をメインにして生計を立てていらっしゃるそうですが、今後の展望などはありますか。

引き続き、リモートワークで収入を増やすことをメインに考えています。まだまだ、アクセス数やフォロワーを増やせば、報酬は増やせる余地があるので。あとは、将来的には地元に貢献できるビジネスを立ち上げたいです。

――それはどういうビジネスですか。

例えば、地元の名産品などを、ネットを通じて販売するなどのビジネスです。楽天市場などで、ネット通販をするのは当たり前の時代ですが、ライブ配信アプリやビデオ通話アプリを通じて、ライブで販売する試みはまだ多くはないですから。

――リモ活のご経験を積まれて、なにかコツや工夫されていることはありますか。

基本的に、配信にしても通話にしても、一人ひとりの視聴者さんを大事にすることを心がけています。一見さんを増やすことも大事ですが、固定のファンを作ることが、報酬アップに繋がるからです。

まとめ

地元を離れられない事情から、完全リモートワークで稼ぐ道を開拓されている正広さんにお話を伺いました。

被災地に留まりながらも、県外のユーザーを相手に価値を提供し、報酬に繋げている点がとても新しいと思いました。

県内だけに目を向けるのではなく、県外にも目を向けてみると、「誰かと話したい」「誰でもいいから話し相手が欲しい」というニーズが多いことに驚いたそうです。

アプリを通じて、誰でも話し相手になれる時代なのですから、それが一つの仕事になるのも、納得できます。

今後も、リモ活を通じて、地元の復興に貢献していって欲しいものです。