近年、住宅が被害を受ける震災の発生が続いています。

自宅や家財の損害に備えて地震保険などに入っている人も多いのではないでしょうか。地震により、自宅に被害が発生しても加入している保険内容を理解していない場合、どのように対処すればいいのかわからないことでしょう。
ここでは地震で自宅にひび割れが生じた場合の保険補償の判断基準や保険請求する際の注意点を解説していきますので参考にしてください。

地震が原因のひび割れなら保険補償の対象内

地震が原因で自宅建物がひび割れた場合、地震保険でも火災保険でも保障の対象になります。

しかし、地震保険ではひび割れの状況によって補償の対象にならない場合があるので要注意です。建物を使用する上で大切な壁や柱、屋根などを主要構造部分と言います。壁紙などのように壁の上に貼り付けたようなものは含みません。地震保険の対象となるのは主要構造部分が損害を受けた場合です。この点、火災保険は幅広い損害に対応しています。火災だけではなく洪水などの自然災害、家具を倒してしまってひび割れを作ったような破損でも補償の範囲内です。当然、地震によって壁紙がひび割れただけでも補償されます。

保険補償の対象内かの判断基準

地震保険で建物の損害を認定する際の区分に全壊、大半壊、小半壊、一部損があります。

損害認定のために必要な基準を示したものが地震保険損害認定基準です。基準の中に、建物の損害を認定する方法があります。建物で補償されるのは主要構造部だけです。地震保険損害認定基準では主要構造部の損害を認定するにあたって対象となる建物を2種類に区分しています。木造の建物と鉄骨や鉄筋コンクリートの非木造の建物です。ひび割れについてはそれぞれ補償の判断基準が違います。すべてのひび割れが対象となるわけではありません。建物の区分ごとに解説します。

木造住宅の場合

木造住宅の建て方には2つの工法があります。在来軸組工法と枠組壁工法です。在来軸組工法は古くから日本に伝わる工法で柱や水平方向に架ける木材の梁などの軸で支えて家を建てます。枠組壁工法はツーバイフォーという名前の方が一般的です。国際規格のツーバイフォーと呼ばれる木材で作った枠に合板を打ち付けたフレームを組み合わせて壁や床を組み上げて家を建てます。地震保険ではこの工法の違いによって認定のために見る場所が違うのが特徴です。在来軸組工法では柱や梁などの軸、基礎、屋根、外壁に着目します。枠組壁工法では外壁、内壁、基礎、屋根です。着目毎の損害割合を損害認定基準表に基づいて決めます。これを足し合わしたものが認定のための損害割合です。

木造以外の住宅の場合

地震保険において頑丈な鉄骨や鉄筋の建物で最初に基準となるのは地盤沈下や建物の傾きです。沈下の程度や傾き度合いによって損害認定基準表に基づいて損害割合を決めます。損害割合が50%以上で全損です。地盤沈下や傾きのない場合と損害割合が50%より少ない場合はひび割れの程度などによって部分的な被害の損害割合を損害認定基準標に基づいて決めます。最後に沈下と傾きによる損害割合と部分的な損害割合を足し合わしたものが認定のための損害割合です。

地震保険を請求するときの注意点

巨大地震が発生した場合は被害地域が広範囲になります。そのため被害総額が損害保険会社の支払い能力を超える可能性もあります。

地震保険はこれに対応するために政府と民間の損害保険会社が共同で運営するものです。そのため全体の上限額が決まっていて、被害が甚大な場合には減額されることもあり得ます。しかしながら、東日本大震災ですら減額されていないので、心配ありません。また、地震保険は火災保険に合わせて特約として加入する仕組みになっています。地震保険単独では加入出来ません。ただし、火災保険の契約期間の途中からでも加入できます。

原則自己申告が必要

火災保険は実際の修理費を請求します。地震保険は修理費を請求して支払われるものではありません。損害の程度に応じた金額が支払われる保険です。地震保険の請求に難しい書類などは必要ありません。しかし当然のことながら損害の程度が分からなければ支払う保険の金額がわかりません。国の基準で損害の確認は必ず実施されます。地震で自宅建物がひび割れた場合、まず加入している保険会社に連絡する必要があります。自己申告のための保険会社への連絡後は損害の認定、保険金の支払いと他の保険手続きと比較して簡単です。

実際の損害額で支払われる訳ではない

地震保険では損害を四つの区分で認定することは既に触れました。保険金はこの4区分のそれぞれに応じて計算されます。

実際に被害を受けた額が支払われる訳ではありません。地震保険の保険金額は元となっている火災保険金額の30%から50%の範囲内で設定可能です。ただし、複数の地震保険契約を結んでいる場合は建物と家財のそれぞれの合計額に対して上限が決まっています。補償として支払われる金額は保険金額に損害区分に応じた率をかけた額です。全損で100%、大半損60%、小半損30%、一部損で5%になります。

鑑定人による事前の調査が必要

先に述べたとおり、国の基準で損害の確認は必ず実施されることになっています。この場合の損害を確認するのが鑑定人です。鑑定は通常、損害保険登録鑑定人の資格を持った人に依頼されます。被害の診断にかかる時間は通常約1時間から2時間です。鑑定人は地震保険損害認定基準をもとに、建物の種類に応じた損害割合を調べて損害割合に応じたポイントを加算します。合計のポイント数によって決まるのが損害区分です。鑑定人は資格を持っていますが、人によって鑑定にばらつきがあることも考えられます。鑑定人の判定は認定されないことを含めると5段階です。鑑定人の判定によって受け取ることのできる金額が大きく違います。地震保険では損害が地震によるものか否かが重要です。地震後に自宅のひび割れなどに気づいたら、すぐ写真を撮っておくと良いでしょう。

まとめ

地震保険は、加入している火災保険に合わせて特約として契約しているものです。地震で自宅の建物がひび割れた場合も何らかの形で補償されます。以下に要点をまとめます。

・建物の主要構造部以外のひび割れは火災保険が適用可能です。
・地震保険は建物の主要構造部の損害をもとに5段階に分かれた損害区分での補償になります。
・地震保険は自己申告が必要で、必ず鑑定人の調査があります。

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