貴重品は、被災生活のみならず日常生活でも肌身離さず持ち歩くべきもの。しかし、災害発生の混乱の中、ちゃんと貴重品を持ち出すことができるのでしょうか。だからと言って、防災グッズの中に閉まっておいたのでは、普段使用するときに困ってしまいますよね。
このページでは、防災グッズの中に貴重品の保管方法について解説いたします。貴重品を慌てずに持ち出せる保管方法について知りたい人は、ぜひ本記事を参考にしてください。
被災時に必要になる貴重品とは
被災生活中でも貴重品は大きな役に立ちます。被災時に必ず持っていきたいは、以下の通りです。
・小銭
・身分証
・健康保険証
上記が被災時のみならず日常生活を送るうえでも、必要最低限な貴重品です。スムーズに避難できるよう貴重品は、慌てず持ち出しやすいよう常に目の届くのところに適切に保管しておくことが大切です
小銭
東日本大震災時、現金は大いに役立ちました。電気が停まってしまっているのですから、現代のようにキャッシュレス決済は使用できません。災害時はほぼ現金のやりとりです。そのため、以下のような事態が発生します。
・コンビニやスーパーのレジを使うことができなくなる
・ATMが使えなくなる
・携帯払いが使えない
普段のお買い物で、クレジットカードや電子マネーを使っている人は多くいらっしゃいますよね。実は、クレジットカードや電子マネーの支払いを担っている端末は、電気で動いています。電気の供給がなくなると、この端末も使用ができなくなってしまうのです。
被災時にスムーズな買い物をするために、防災グッズの中には現金を用意しておく必要があります。現金の中でも、小銭を用意しておくことが重要です。なぜなら被災時には、多くの人が買い物に詰めかけることが予想され、その人たち全員が小銭を持っているとは限らないからです。
最初の方は、お店に用意してあったお釣りで対応していくことができますが、小銭を持ち合わせていない人が続くと、どんどんお釣り分の小銭がなくなってしまいます。
お釣りがなくなってしまうということは、できるだけぴったりに買い物をしなくてはなりません。もしくは、貰えなくてもいいと思えるくらいのお釣り金額にする必要があります。失うお金が少しでも減るように、現金は小銭を用意しておいた方がいいですね。
小銭があると、レジでの買い物だけでなく、自動販売機で飲み物を買うときにも便利です。携帯の充電ができない時には、公衆電話を使うこともできます。
ライフラインがストップした時のことを考えて、小銭を用意しておきましょう。
身分証
被災時には、身分証があるととても役に立ちます。なぜなら色々な場面で、本人確認として扱えるからです。
被災時に預金からお金を引き出したいと思っても、預金通帳やキャッシュカードを持っていない場合があります。外出先で被災した時や、慌てて避難して持ってくるのを忘れてしまった時です。このような場合には、身分証で本人確認をして引き出すことができます。
例えば、2011年の東日本大震災と2016年の熊本地震の時は、多くの金融機関が預金通帳やキャッシュカードがなくても、身分証で預金を引き出すことができました。身分証で本人確認をし、拇印をすることによって10万円まで(ゆうちょは20万円まで)の引き出しに応じてくれていたのです。
被災時に預金引き出しに対応してもらうためにも、身分証はあった方が良いと言えますね。
健康保険証
被災時には、ケガをして病院にかかることが予想されますよね。その時のためにも、健康保険証を用意しておきましょう。なぜなら、スムーズに診療を受けるためです。
みなさんが日常で病院にかかる場合、健康保険の加入者なら、通常1〜3割の負担金を病院に支払っています。この負担金が、保険証を持っていない場合は10割負担となり、高額になってしまいます。普段は意識していませんが、実はこの差、かなり大きいのです。
例えば、いつもの病院で3割負担で3,000円の治療費だったとします。この3,000円が、保険証を持っていないだけで10,000円まで跳ね上がってしまいます。
多く支払った分は、後から手続きをすることで返ってくる場合がほとんどですが、被災時には少しでも出費を抑えたいですよね。
もしも被災時に、保険証を持っていない場合は、身分証の提示をして、加入している医療保険者がわかれば、いつもの負担金額で診療を受けることができます。2019年の西日本豪雨では、このような対応を取っていました。
上記で説明した身分証は、このように健康保険証を用意できなかった場合にも役に立ちますね。しかしながら、加入している保険者が分からない場合は、スムーズに診療を受けることができなくなってしまうので、健康保険証は用意しておいた方がいいでしょう。
貴重品の保管場所
次は、貴重品の保管場所について説明をしていきます。貴重品は準備するだけでなく、どこに保管しておくのかも重要になってきます。
「貴重品の準備はしたけれども持ち出せなかった…」なんてことになったら、意味がないですよね。そのような事態を避けるためにも、貴重品の保管場所には注意しましょう。
常に持ち出せるようにバッグにいれておく
貴重品は小さくて軽いものなので、小さなポーチに入れてまとめておきましょう。常に持ち出せるように、ポーチごとお出かけのバックに入れておくと、日常生活で不自由なく使うことができます。
普段からバッグに入れておくことによって、外出先で被災した時も慌てることがありません。普段からこの習慣を癖づけることによって、被災時のことをシミュレーションする機会にもなるので、ぜひ実践してみてくださいね。
コピーして防災グッズと一緒に保管しておく
身分証や健康保険証は、普段からよく使いますよね。普段のバッグに貴重品を入れて、防災リュックに戻し忘れてしまうと、被災時に持ち出すことができません。家で災害が発生した時に「どこに入れたっけ?」なんて探せませんよね。
このような場合には、外出先用の貴重品と防災グッズ用の貴重品を、分けて入れておくと便利です。防災リュックの中には、身分証や健康保険証をコピーしたものを入れておきましょう。こうすることで、どのような場面で被災しても貴重品が近くにあるので、慌てることがありません。
コビーと一緒に銀行の口座番号や、生命保険の証券番号を記載した用紙を入れておくと、手続きが一気にスムーズになります。さらに、銀行や保険会社、クレジットカード会社のコールセンターの番号まで書いておくと、手続きで何かわからないことがおきた時も安心ですね。
保管をする時は、ぜひジップ付きのビニール袋に入れておきましょう。雨が降ってしまっても、濡れることがありません。
写真や書類はデータ化しておく
被災時には、持ち出したい写真や書類を落ち着いて考える時間や余裕がありません。避難した後で「あの写真を持ってきておけばよかった」と考えてしまうことがあると、悲しいですよね。
被災時に後悔しないためにも、写真や書類はデータ化しておきましょう。普段からまとめて、USBに保存しておけば持ち運びも簡単です。セキュリティの安心できるクラウドサーバーにも保存しておくと、USBを無くしてしまった時に安心ですね。
被災の大変な時期を乗り越えるには、写真が心の支えになります。生きるパワーを、写真からもらうことができるのです。さらに、写真は心の支えになるだけでなく、家族の安保確認に使うこともできます。
まとめ
被災生活中にも貴重品は大いに役立ちます。被災時の不便な場面でもいつも通り生活をしていくために、貴重品はしっかり準備しておきましょう。どんな時でも持つことができるように、保管場所もとても大切です。
いざという時に慌てないためにも、このページで紹介してきたことを参考に、貴重品を管理してください。
こんなお悩みはありませんか?
「優先すべき防災グッズは何?」「防災グッズは何から揃えたらいい?」 どうせ防災グッズを購入するのなら、被災時にちゃんと役立つアイテムが欲しいですよね。失敗しないためには、自分に合った防災グッズを購入することが大切!どんなアイテムがあるのかお悩みの人は、ぜひ下記ページを参考にしてみてくださいね。