わたしは、宮城県に住む東日本大震災の被災者です。
忘れもしない2011年3月11日14時46分、自宅で1歳の息子に授乳していた最中に震度7の地震が発生しました。
当時、「死ぬかもしれない」という恐怖を感じながら必死にその日その日を過ごしました。被災生活中、今では考えられないほどの不便な生活を強いられました。
被災生活中、災害時に「生き抜く」ための備えが不十分でなかったことに心から後悔したのを覚えています。
災害への備えを怠っては絶対にダメです!!
わたしが被災した経験から、みなさんに災害への備えをしてもらうためこのサイトを立ち上げました。
1歳の息子とたった2人で着の身着のまま逃げ出した震災当日
震災が発生した数分前、わたしは自宅アパートで、1歳の息子に授乳をしながら寝かしつけていました。
ようやく息子が寝入ったなと思ったそのとき、突然強い揺れが発生。いつもよりもずっと強い揺れで、「これはヤバイ。家にいたら潰される」と恐怖を感じたため、着の身着のまま裸足で外に逃げました。
私はそこで初めて知りました。揺れが強すぎると、逃げることもままならないと。
あまりにも大きく揺れているため、走って逃げることはもちろん、座ることすらできません。子供の頭を抱えながら、壁つたいに沿って何とかアパートの外へ出ました。靴を履く余裕もなかったので、裸足で。
外に出ると、地面が波打ち、駐車場に泊まっていた車が踊るように揺れていました。その場に座ることすらできないので、地面に這いつくばるしかできません。たまたま駐車場に居合わせた女性にすがるように助けを求め、揺れが収まるまで3人でうずくまっていました。
揺れが収まってからが、地獄
揺れが収まった後、様々なところで悲鳴が聞こえました。
「バスがひっくり返っている」
「津波がくる」
情報を集めたくとも、停電になっているため、何が起こったのかみんなどうなっているかさえ、わかりません。私たちは電気や電波に頼りすぎているため、停電になると情報収集すら何ひとつできないのです。
家の中にはいると、酷いものでした。パソコンやテレビなど、重たい家電が部屋の隅から隅まで何回かスライドしたような形跡。コップや小物などは、棚からすべて落ち、灯油はこぼれ、壁にかけた写真立てのガラスがぶら下がり、部屋にいたら絶対ケガしていただろうなと思うほど、酷い有様でした。
部屋を片付けようにも、水が出ないので、雑巾がけもできず。そして、3月とは思えないほどの寒さ。建物自体は無事だったものの、生活ができず避難を強いられました。
気が狂うほどの避難生活のはじまり
夫が帰宅したあと、私たちは車で20分ほどの実家に避難することにしました。
まず直面した問題は、大渋滞です。大規模停電が発生していたため、信号が機能せずいつもは混みもしないような道が大渋滞。さらに、家の中、施設、街灯が店頭していないため、周囲の状況もわかりません。
そして、実家に避難した後に発覚したのは、食べ物を調理することができないということ。少ないレトルト食品を分け合いましたが、翌朝以降、食べるものを常備していないということで、家族で頭を抱えました。当然、開店しているお店はなく、食糧調達もできません。さらには、車に給油もしていなかったため、長距離移動も制限されたのです。
わたしたちは便利な生活に慣れ過ぎている
「夜はとてつもなく暗い」
「コンビニがない生活は不便」
「ガソリンがないと車は走らない」
何を当たり前のことを言っていると思うでしょう?でも、ライフラインが途絶えると、以下のようなことが本当に起こるのです。
電気が使えないから「夜はとてつもなく暗い」
わたしたちの住んでいる地域では、ライフラインが途絶えました。電気・ガス・水道が止まりました。
電気がないと、まず家中の家電が使えません。当たり前です。
夕方、薄暗くなると家の中も真っ暗です。家の中にある物を探すこともできませんし、家族の顔をみることもできません。庭に出ても隣家も真っ暗です。
これが、とてつもない恐怖感を与えます。
家事を済ませるためには、日が上る時間に起きて日が沈む前に全てを終わらせなければいけません。真っ暗な夜は眠くなくても眠る以外にすることがないのです。真っ暗ですから。
店で何も買えないから当然「コンビニで物が買えない」
さらに、外に出てもコンビニに商品がありません。というか、コンビニを含むほとんどのお店は営業さえできずに閉まっています。
開きもしないコンビニに長蛇の列ができ、店主は「いつ店を開けるんだ」と怒鳴られている。たまに開いている店を見つけても、棚には何も並んでいません。
家の外で食事することはできないので、家でご飯を食べ損ねたらいつどこで食事ができるかさえわかりません。「食べるものがない」ということは想像以上に大きな絶望感を与えます。
車の燃料が買えないから「ガソリンで車が走らない」
そして、ガソリン。給油ができないため、車を走らせることができません。
車がないと、食料調達や身内の安否確認、炊き出しにもいけません。この非常事態に行動できないことは、まさに「詰み」です。また、たまに「隣町のスーパーが開店したぞ!」という情報が流れてくるのですが、車がないとその場所にもいけないのです。
そのため、ガソリンスタンドでも長蛇の列ができていました。開店予定もないのに。スタッフの人は「開店はまだか」と怒鳴られ、10リッターのガソリンを入れるために、ひたすら寒い車内で待つのです。被災当時は、3月でしたから平均気温は9℃。震災時は雪が降っていました。
しかし、どんなに寒くてもガソリンを消費するから、車内のエアコンをつけることもできませんでした。
救助にも順番があるとご存知でしょうか
「備えがなくても救助されるから、いいや」
「自衛隊が助けにきてくれるでしょ」
こんな風に、災害の備えを人任せにしていていませんか?
残念ながら、災害が発生したとき救助が入るのは災害が大きい地域からです。
つまり、ライフラインが途絶えても家屋崩壊や津波がない地域は、後回しされる可能性があります。たとえ、水や食料がなくなりそうになっても。
「お腹がすいたから、救助してください!」
このことを必死に伝えようと思っても通信手段すらないのです。電気もなければ電波もない。スマホもない。wifiもない。
ひもじい思いをしながら「どうやって、SOSを出せばいいのか」当時は、そんなことばかり考えていました。
不便さから便利さを取り戻した今、わたしたちは「忘れかけている」
被災から10日目。10日ぶりに電気がついたときは、泣きました。
20時頃だったと思います。いきなり電気がパッとついて、一瞬「何が起こったのか」呆然としてしまったほどです。同時に涙が出ました。
最初にスマホを充電して、遠く離れた家族に安否報告しました。
電気がついたその日から、夜更かしができ、暖かいご飯を食べ、お風呂に入りました。当たり前のことですが、当時はとてつもなく感謝したことを覚えています。
しかし、この感謝もどんどん薄れていきます。忙しさのあまり、当時の「辛さ」や「苦しさ」を忘れつつある自分がいたことに気づきました。
わたしたちの生活は、いつどこで壊れるかわかりません。災害は「ある日」「突然」「あっという間に」やってきます。
災害から身を守ることも大切ですが、災害後に生き抜くための備えをしておいてください!!
そして、備えは一時的なイベントではなく、普段から「もしも」のことを考えた行動を起こしてくことが大切です。
ー炊飯器がなくてもお米を炊けますか?
ー火がなくても調理する方法はありますか?
ー洗濯機が回らないときに衣類はどうやって洗いますか?
ートイレが使えないとき、排泄物はどう処理しますか?
ー家族に安否確認を取りたいとき、連絡手段はありますか?
学校や職場の災害パンフレットで、嫌といいほど目にしたことがあると思います。しかし、これは本当に大切なのです。
明日、今日と同じような生活が送れるとは限りません。
どうか、イザというときに後悔しないよう、今からでもすこしずつできることをはじめてください。
まとめ:備えあれば患いなし
人は不便な生活から便利な生活に戻ってしまうと、不便さを忘れてしまうものです。
宮城県民は「いつか宮城県沖の地震が来る」と当たり前のように言い聞かせられていましたが、当時災害の備えをしていた人はどのくらいいたのでしょうか?
そして、東日本大震災の記憶が薄れようとしている今も、また起こるかもしれない災害へ備えている人もどのくらいいるのでしょうか?・・・多分、想像以上に少ないと思います。
災害はいつ起こるかわかりません。誰かの助けをアテにして、何も準備しないのは、ダメです!
毎日怯えて暮らすのではなく、いつ災害が起きてもいいように、救助がくるまで生きていけるように、備蓄しましょう。
ミネラルウォーター、ドライバー、缶詰・・・なんでもいいです。
1つでもあれば、必ずあなたの役に立ちます。あなた以外にも、大切な人や近隣の人を助ける糧になります。
「結局、使わないでムダになったな~」と思える時が、一番幸せな時間なのです。
中でも、私たちを元気にしてくれるのが「おいしい非常食」だと実感しました。食事は私たちに力をくれ、ストレスと戦う勇気をくれます。
どうか、このサイトを見たら、何か一つでも防災の準備をしてみてください!
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