夏美さん(36歳・女性・福島県・専業主婦)への取材インタビューです。
震災でパート先を失った夏美さん。noteの収益化で在宅ワークに成功し、主婦をしながら夫よりも稼げるようになった実体験をお話いただきました。
noteに興味を持ったきっかけ
――はじめに、専業主婦の夏美さんが在宅ワークに興味を持ったきっかけを教えてください。
直接のきっかけは、東日本大震災でパート先が長期休業したことです。当時、専業主婦の傍ら、家計の足しにと僅かながらパートで稼いでいました。でも、震災とともにパート先が休業し、すぐに働ける職場も見つからなかったことから、在宅でできる仕事をずっと探していました。
――在宅ワークはすぐに見つかりましたか。
いいえ。ネットで情報収集をして、色々試しましたが、きちんとした収入を得られたのはnoteが最初です。
――noteで収益化する前に、どのような在宅ワークを試しましたか。
最初に試したのは、ハンドメイドの販売です。特に、Creemaというサイトで、ハンドメイドのペーパーアイテムを販売しました。結果、ほとんどお金にはなりませんでしたが。
――なぜCreemaでは稼げなかったのでしょうか。
理由の一つは、単価の低さだと思います。ハンドメイドの商品は自分で値付けができますが、ほかの作家さんたちとの価格競争があるので、値下げせざるを得ません。本当は100円で売りたくても、ライバルが50円で売っていたら価格で負けてしまうんです。
――なるほど、価格競争になってしまうんですね。
そうです。
――ほかにも在宅ワークは試しましたか。
はい。ランサーズやクラウドワークスというサイトで、ライターとして活動したこともあります。こちらも単価が下がってしまい、稼げませんでしたが。
――クラウドソーシングは単価が激安と聞きます。
1文字あたりいくら、と報酬が決められているので、とにかくいかに文字数を早く打ち込むかで時給が変わります。本当にきつい仕事でした。
――ライターとしての在宅ワークと、noteの収益化は似ているように思えますが、違いはなんだと思いますか。
noteは、自分の好きな値段で記事を売れることが大きな違いだと思います。そして、一つの有料記事を完成させれば、それを複数の読者に買ってもらえるので、半永久的に売れる仕組みを作れるのが大きいですね。
――確かに、一つの有料noteを100人に売れば、売上も100倍になりますね。
はい。
――noteで有料記事を書いて、すぐに売れましたか。
いいえ。最初は全く売れませんでした。理由は明白で、書いたnoteへの閲覧数がなかったからです。SNSで大勢のフォロワーがいる人は別ですが、私のような普通の主婦にとって、閲覧数を集めるのが一番苦労しました。
――最終的に、どのように閲覧数を集めましたか。
noteの外部から集客しました。noteの収益化を教えている有料noteを読み、どのように閲覧数を増やせばよいかを学び、それを真似しました。
(参考:初めて書いた有料noteが初月から安定して売れた「ビュー数を増やす技」! | にゃんこアフィリ)
専業主婦からnote収益化を達成した流れはこんな感じ
――具体的に、noteを始めてから収益化するまで、どのような流れで結果を出されたのでしょうか。
最初から収益化を目指して始めたので、一番最初に書いたのが有料記事でした。でも、今考えれば当然なのですが、閲覧数がゼロなので全く売れませんでしたが。
――有料記事にするためのネタは、どのように見つけましたか。
正直、最初は書くネタが思いつきませんでした。特に経験やスキルもない主婦なので、有料記事で人にお教えすることなどできないと思っていましたね。でも、先ほど挙げた有料noteを参考にして、自分自身の人生経験から、成功体験や失敗体験を棚卸しして、最終的に防災ネタに落ち着きました。
――被災された体験を記事ネタにされたのですね。
そうです。
――これまで書かれた記事の中で、どのようなネタがよく読まれましたか。
今でもよく読まれる人気記事は、防災グッズの置き場所のアイデアです。防災意識のある人は、防災グッズを買うことの重要性は知っています。でも、いざという時のために必要なグッズも、置き場所には困りますよね。そこで、被災者なりに工夫している置き場所や、貴重品などをどこまで持ち出せるようにしておくかなど、経験者なりの記事を書いたら当たりました。
――命に関わる不安があるからこそ、有料でも読みたいという人が多いのですね。
そうだと思います。
――閲覧数を増やすために、SNSは活用されていますか。
いいえ。Xやインスタをやっていますが、ただの主婦なのでフォロワーも多くありません。noteへの閲覧数を増やすためには、長い時間をかけて、あらかじめ育てておかないと効果がないと思います。
――SNSからのアクセスがない代わりに、note外部から読者を集めたのですね。
Google検索から流れてくる読者が意外と多いことに驚きました。今でも、そこからのアクセスがメインで、noteが売れていると思います。
主婦の副業について
――noteの収益化のほか、今まで色々な副業を試されたそうですが、今は完全に在宅ワークに一本化されたのでしょうか。
いいえ。最近、スーパーのパートを再開しました。被災地もすっかり復興し、求人募集も増えましたから。もともと、人前に立って接客する仕事が好きなので、noteで稼げるようになっても、対面の仕事は続けたいと思っています。
――在宅で稼ぐ仕事と比べて、対面の接客業はどのような魅力がありますか。
上手く言えませんが、社会との繋がりに喜びを感じます。在宅でnoteを書いているだけだと、買ってくださる読者の顔が見えません。でも、接客業ならお客さんとの会話がありますし、同僚のパートさんとの繋がりも在宅では得られない貴重なものです。
――noteで副業を達成された夏美さんですが、収益化までに苦労されたことはなんですか。
先ほどお話したように、閲覧数を増やすことが一番難しかったです。でも、閲覧数を増やす方法を有料noteで読み、真似することで解決しました。ほかには、記事ネタを真似されてしまうことに危機感を持ったこともありますが、結果的には、真似されたとしても閲覧数は保てないので、あまりライバル視しないようになりました。
――記事をパクられる、ということでしょうか。
私の記事を真似されたのか、偶然似てしまったのかは分かりませんが、noteをやっていると、似ている内容の有料記事をよく見かけます。他人の記事を盗作しても、長続きはしないと思うので、あまり気にしないようにしています。
――確かに、記事をパクることができても、集客ができなければ売れませんよね。
はい。記事を書くことよりも、閲覧数を増やすことの方が稼ぐためには大切だと思います。
まとめ
東日本大震災の被災者として、パート先での仕事を失ってしまった夏美さん。
noteの収益化のおかげで、在宅でも以前と同じ水準の収入を得られたそうです。
有料記事で稼ぐためには、稼げるネタ探しが欠かせませんが、被災者としての経験を、防災というテーマに発展させた点が成功のポイントだと感じました。
noteの収益化は、特別な経験やスキルがなくても、自分自身がもともと持っている知識を応用することで、十分に稼げる余地がある、という一つの成功例と言えます。