自身による被害が発生した際には地震保険に加入していれば保険金を受け取れます。

ただ、どの程度の損害を受けたかによって保険金の金額には違いが生じます。地震保険の保険金は損害査定によって決められる仕組みになっているのです。この記事では地震による被害の査定ポイントの内容と、査定ポイントを上げるコツを解説します。

そもそも地震保険の被害状況はどうやって確認するの?

地震保険の保険金を受け取るときには建物と家財の被害状況を確認する作業が行われます。

地震保険の補償額は建物と家財についてそれぞれ基準が設けられていて、どの条件を満たしているかによって補償額が決まるのが原則です。その補償内容と被害状況を決める査定の流れを確認しておきましょう。

建物が被害を受けた場合の査定ポイント

建物も家財の場合でも、四段階で被害状況が査定されます。全損、大半損、小半損、一部損の四段階について、以下のように補償金が支払われます。

損傷状況 査定基準
全損 地震保険の保険金額の100%
大半損 地震保険の保険金額の60%
小半損 地震保険の保険金額の30%
一部損 地震保険の保険金額の5%

上記の表が、査定基準です。ここから梁や柱などの「主要部」がどの程度損壊を受けたのか、または延べ面積の何割ほどが被害を受けたのかによって補償金の額が異なります。

主要部分が被害を受けたときの査定基準

まずは、主要構造部の損害額についてみていきましょう。家の主要部とも呼べる「梁」「柱」が損傷を受けた場合、補償金がもらえます。この補償金の額は、被害状況によって大きく異なります。以下の条件が、補償の査定基準です。

損傷状況 主要部の損害基準
全損 建物の時価の50%以上
大半損 建物の時価の40%以上50%未満
小半損 建物の時価の20%以上40%未満
一部損 建物の時価の3%以上20%未満

建物の延床面積でみる補償金の査定基準

主要部意外にも、消失または流出した床面積に応じて補償金が支払われます。査定基準を以下表にまとめました。

損傷状況 床面積でみる損害基準
全損 建物の延床面積の70%以上
大半損 建物の延床面積の50%以上70%未満
小半損 建物の延床面積の20%以上50%未満
一部損 建物が床上浸水または地盤面から45cmを超える浸水を受け損害が生じた場合

そして、全損、大半損または小半損に至らない場合

以上が、補償金が受けられる査定基準です。被災時に上記のような損傷があれば、補償金を受けることが可能です。この基準は国で定められているため、保険会社によって基準が変わることはありません。

家財補償の査定ポイント

家財の場合には査定対象が以下の5つに分類されています。それぞれについて構成割合と最大割合が定められています。

食器陶器類:1%(最大5%)
電気器具類:2.5%(最大20%)
家具類:4%(最大20%)
その他身の回り品:2.5%(最大25%)
衣類寝具類:15%(最大30%)

 

この合計から産出される家財の損害割合に応じて以下の査定基準が適用されます。

全損 家財の時価の80%以上
大半損 家財の時価の60%以上80%未満
小半損 家財の時価の30%以上60%未満
一部損 家財の時価の10%以上30%未満

 

地震査定の流れ

地震保険の被害状況は査定を受けて確認します。以下のような流れで実施されるのが一般的です。

  1. 地震被害の報告 地震による被害について保険会社に連絡する
  2. 調査予約 調査日程の調整をして予約を取る
  3. 立会調査 予約した日に現地で立会調査を受ける
  4. 損害認定結果の合意 調査結果の報告を受けて内容に合意する
  5. 報告書の確認 報告書を見て内容を確認する

上記の流れで、査定が行われます。被害を発見したら、まずは契約している保険会社に連絡することから始めましょう。

    査定時にみられる建物のポイント

    査定時には各所をどのように調査されるのでしょうか。調査人が何を見て破損を診断するのか、見えない部分はどのように判断しているのかを大まかに確認しておきましょう。

    家の傾き具合

    地震による建物の傾斜では傾きの角度によって損害割合を計算する仕組みになっています。

    傾斜角が0.2/100(約0.1度)を超えて0.3/100(約0.2度)未満なら損害割合は3%です。2.1/100(約1.2度)を超えていると全損になります。

    なお、地震によって地盤が液状化し、家が傾いてしまったときにも傾斜角によって損害の程度を評価します。1.7/100(約1度)を超える場合には全損、1.4/100(約0.8度)を超えて1.7/100以下の場合には大半損、0.9/100(約0.5度)を超えて1.4/100以下の場合には大半損、0.4/100(約0.2度)を超えて0.9/100以下の場合には一部損です。

    外壁や柱のひび割れ具合

    外壁や柱のような建物の主要構造部については全体に対してどのくらい損害があるかと、建物が平屋か二階建てか三階建てかによって求めます。外壁なら全外壁面積のうちひび割れなどで損傷している面積の割合、柱なら全部の柱の本数のうちで、損傷を受けている柱の本数の割合で計算します。40本の柱のうち1本だけひび割れをしていたという場合には3%以下とされ、二階建ての家なら8%の損害割合です。

    戸の開閉や建具の欠損具合

    戸や建具の不具合については建て付け不良、開閉困難、開閉不能・前面破壊といった形で被害の程度を評価し、その物理的な壊れ方の大きさを評価して損害割合を算出しています。建具の開閉が困難な状況で、物理的に半分以上壊れているようなときには損害割合が15%と決めます。

    目視で確認できない部分は査定基準を基に確認

    このように目視で確認できる部分は計算して求めることができますが、目視不能な建物の損傷については損害認定基準表に基づいて測定可能な指標から確認する仕組みになっています。例えば、枠組壁工法の場合には構造上の損害の程度を目視で全て確認するのは困難です。この際には1階の外壁と内壁、外周の布コンクリート、屋根の損傷をそれぞれ確認して物理的損傷割合がどのくらいあるかを見積もり、損害割合を算定します。

    査定ポイントをあげるための方法3つ

    査定ポイントを上げて少しでも補償額を増やすためにはどうしたら良いのでしょうか。査定基準が厳格に決められていることを踏まえると、以下の3つの方法が効果的だと考えられます。

    ポイント1.先に被害状況を確認しておく

    調査を受ける前に被害状況を確認してまとめておくのが査定ポイントを上げるのに効果的です。調査人に損害部分を全て確実に伝えられれば損害割合が大きくなると考えられるからです。

    ポイント2.傾きや開閉しない部分など査定人に伝える

    傾きや開閉しない扉、壁のひび割れなどのように気になる部分を伝えるのも大切です。査定人が見落とす可能性があるだけでなく、被害を軽視してしまう可能性もないわけではありません。気になっていることがわかると慎重に調査してくれるので正確な評価を受けられます。

    ポイント3.損害発生日を確認する

    震保険では損害発生日から10日以上経過してから破損した部分には保険金が支払われません。損害発生日を記録しておくと確実に損害部分を特定して保険金を申請できます。写真などで証拠を残しておくと調査日が遅くなった場合にも地震による損害と認定してもらえるでしょう。

    まとめ

    地震保険の保険金について調査の実施概要や査定ポイントについて説明してきました。重要なのは以下の3点です。
    ・地震保険の補償額には基準が設けられている。
    ・現地での立会調査によって査定が行われる。
    ・被害状況の事前調査をして調査人に伝えると調査ポイントを上げやすい。

    地震保険でできるだけ多くの保険金を受け取れるようにするには内容を詳しく把握し、調査人に損害を正しく評価してもらうのが肝心だと覚えておきましょう。

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